わんちゃんの嘔吐で考えられるのは、胃腸の炎症や膵炎です。異物を飲み込んでしまって嘔吐するケースもよくあります。1度限りの軽い嘔吐であれば心配ないこともあり、1日に何度も嘔吐を繰り返すようであれば、なんらかの異変が考えられます。 嘔吐が見られたら、まずは吐しゃ物や周辺環境を確認し、鮮血や有害物(ボタン電池、タバコの吸殻など)がないか確認します。 そのうえで、活動の様子なども観察しながら早めにご受診ください。
胃腸炎や腸管炎、膵炎などの内臓疾患に由来するものから、食物由来のもの、さらにはストレスによるものなど、わんちゃんの下痢・軟便は原因もさまざまです。また、原因によって対処法も異なります。急激な環境変化や食べものに変化がなかったかを確認し、長引くようであれば早めに受診してください。
高齢のわんちゃんで、黒目の部分が白く濁って見えるようであれば、白内障が進行している可能性があります。白内障は徐々に進行する眼疾患で、治療には外科手術が必要になります。進行してしまうと、歩行が困難になるなど日常生活に支障が出ることもあるので、早めに受診しましょう。
眼の中でレンズの役割を果たしている「水晶体」の中心にある水晶体核が、老化により圧縮されて硬くなる病気です。瞳孔が青みを帯びて白く見えるため、白内障と勘違いされることも多いようです。核硬化症では失明や視力低下などは起こりませんが、白内障を合併することもあるので注意が必要です。
眼球の表面を覆っている結膜に炎症が起こる病気で、充血や目やに、まばたきの増加などの症状が見られます。前足で眼をこすったり、顔を床などにこすりつけたりしている場合は、結膜炎によるかゆみが発生している可能性があるので注意してください。
近年、多くのわんちゃんがアレルギーを持つことがわかっております。なかでも、食べものに対するアレルギー症状が出ているケースでは、フードを変えることで症状を回避することができます。 アレルギーによる初期の皮膚症状では、かゆみが一般的です。耳や眼、口のまわりや股の内側が赤くなっていたり、体をかゆがる、フケが出る、抜け毛が多いなどの症状があったりするようであれば、一度ご相談ください。
わんちゃんにもアトピー性皮膚炎があり、多くの場合はダニをアレルゲンとして発症します。本来であれば無害なはずのダニやカビ、花粉などが原因物質となって、おもに皮膚症状が発生します。
いぬアトピー性皮膚炎の症状は、前足や耳の外側には出ますが、背中や腰には出ないことが多いのが特徴です。心当たりがある方は一度ご受診ください。
わんちゃんの皮膚に起こる感染症です。肌荒れや傷などに雑菌が繁殖することで起こります。特に、気温や湿度が高くなる梅雨時期から盛夏にかけては、雑菌が繁殖しやすくなって増加します。
歯についた歯垢や歯石に含まれる歯周病菌により、歯茎に炎症が起こるのが「歯周炎」です。さらに進行し、炎症が周辺の骨にまで広がった状態のことを「歯周病」といいます。 歯周炎や歯周病の初期は、口臭が発生したり、歯の付け根が赤く腫れたりします。歯周病を放置すると、歯周病菌が血液を介して全身に広がり、心不全や腎不全を引き起こすこともあります。 歯周炎や歯周病では、原因となる歯石を取り除くことが欠かせません。全身麻酔をかけて、スケーラーと呼ばれる器具で口の中の歯石を取り除きます。「麻酔なし」の歯石除去をすすめられるケースもあるようですが、麻酔なしでは十分な効果を得ることは難しいため、当院では全身麻酔での歯石除去に限ってご提供しています。
わんちゃんの後ろ足膝にあるお皿のような骨(膝蓋骨)が、本来の位置から内側や外側にずれてしまった状態のことを「膝蓋骨脱臼」といいます。小型犬に多い疾患で、ダックスフンドやコーギーなどの短足種を除く、多くの小型犬で頻繁に見られます。時々スキップをするように歩いたり、びっこをひいていたりするようであれば、早めに受診してください。
歩く、走る、飛ぶなど、日々の関節への刺激によって関節に炎症が起こるのが、関節炎です。放っておくと骨の変形などにつながることがあるので、早めの受診が大切です。歩きづらそうだったり、痛みがあったりしそうな場合はご相談ください。
メスのわんちゃんは、子宮や乳腺にトラブルが起こることもあります。多くの場合、1歳までの避妊手術でそのリスクを低下させることができます。
子宮内に細菌感染が起こって膿がたまるのが、子宮蓄膿症です。若いわんちゃんがかかる場合もありますが、出産を経験していない高齢犬に多く発症します。ぐったりして元気がなくなり、やたらと水を飲んでおしっこが多い場合には、子宮蓄膿症の可能性があります。
乳腺腫瘍は、乳腺の組織の一部が腫瘍化してしこりができる病気です。メスの高齢犬や小型犬に多い乳腺腫瘍には良性と悪性があり、悪性のものが「乳がん」です。お腹を撫でているときなどに異変に気づいたら、早めにご受診ください。
オスのわんちゃんは、高齢になったときに前立腺にトラブルが起こることもあります。若いうちに去勢しておくことよってリスクを抑えることができます。
膀胱の後ろにある前立腺が、ホルモンバランスの崩れによって肥大する病気です。去勢していない7~9歳のオスのわんちゃんに多いです。初期は無症状ですが、進行すると血尿や便秘、排便障害などが見られます。